コラム

牧会コラム201「ダビデとヨナタン7」武井俊孝

Author
mito
Date
2025-02-02 15:08
Views
85
昨年9月以来休載していたコラムを再開します。また、よろしくお願いします。

 ダビデとヨナタンはサウル王のきわめて悪い態度をきっかけに、今生の別れをしましたが、その後ただ一度、再会しています。

 そのできごとは旧約聖書・サムエル記第一23章15節から18節の短い記述にまとめられています。おそらく、その記述の短さが暗示するように、その再会の時間はとても短かったことでしょう。なにしろ、サウルがダビデを捜して殺そうとしているような状況の中で、ヨナタンはあえて陣営を抜け出し、ダビデに会いに行っていたわけです。

 このときヨナタンはダビデに、あらためて重要なことを言います。ダビデは目下、サウルにいのちを狙われ、死の瀬戸際にいましたが、ヨナタンはダビデに、あなたは必ず(サウルに代わって)イスラエルの王となる、と語りました。それはとりもなおさず、あなたはサウルにも、だれにも殺されない、という約束でした。そして二人は、ダビデこそがイスラエルの真の王になると確約する契約を結びました。

 ヨナタンがダビデに語ったこのことばは、主にあっていだく確信に根差したものでした。自分よりも相手が栄えることを願う、また、そうなることを確信するほどに願い、祝福する。これこそ、主にあって持つべき友情のありかたです。

 ヨナタンのこの姿を見ると、私たちがだれかと友達関係になるとき、その人との間の友情は果たしてこのようなものであるか、問われるのではないでしょうか。こういう、鉄よりも固い友情、何者にも壊せない友情は、簡単に持てるものではありません。私たちはとかく、人よりも自分のことを第一にしがちなもの、そんな自分のことをあらゆる言い訳を並べて正当化するものだからです。

 でも思い出しましょう。そのような友情を結んでくれるような友達がいなくても、主イエスさまが私たちのことを真の友としてくださいました。その友情は、私たちが永遠に王として振る舞うことを心から願い、いまも天の御国の御父の右の座にて、私たちのために祈ってくださるほどの真剣なものです。
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